映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「チェ 28歳の革命」監督スティーヴン・ソダーバーグ at 109シネマズHAT神戸。

チェ・ゲバラがアルゼンチンからバチスタ政権下のキューバに向かって北上するゲリラ戦の模様に、キューバ革命後初めてNYの国連で演説するシーンを織り交ぜた第一部。
ソダーバーグ監督が「トラフィック」('00)で味をしめて撮影監督を兼任するようになってから「オーシャンズ11」('01)「フル・フロンタル」('02)と目を覆うような汚いルックの作品が続いたので以降の作品は見ないでいたが、この二部作のただならぬ気配には劇場に足を運ばざるをえない何かを感じてしまった。
資料によると企画は主演のベニシオ・デル・トロのものであり、監督としてテレンス・マリックが途中まで携わっていたようだ。
今作も撮影監督を兼任しているソダーバーグだが、切り返しのショットを排し、複数の登場人物を並べるフルショットで貫き通すゲリラ戦と、顔の毛穴まで寄り切るようなクローズアップで捉える国連演説のカットバックによってもたらされるドキュメンタリーを観ているかの錯覚効果は秀逸。
また、映画的なリズム感を無視し、「ひたすらな行軍」を延々と描き続ける確信犯ぶりにも驚嘆。このヘビーな力技に倦んだのか、我が神なき国の観客は途中で席を立つ人もいた。
サンタクララなる町で展開されるバチスタ軍からの無差別爆撃と市街戦がクライマックス、観る者はここまで来るとチェ・ゲバラと同じテンションと達成感に浸れるというもの。ラストは「ここで終わるとクール」と思ったところでバチッと決まってくれて快哉。お勧め、但しあの時代の革命を目撃したい有志にだけ。