映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「若葉のころ」監督・周格泰 at シネマート心斎橋

監督はMTV出身でこれが長編劇映画デビュー、私と同い年。
MTV的ビジュアルは存分に発揮され、キラキラとした台湾の陽光をこれでもかとばかりに見せる。フィックスを嫌い、手持ちでグラグラと揺れることで少女の心の不安定と未成熟を表現するキャメラ。カット頭、人物の画面への出し入れをせず、最初から板付きでポンと居る感じも独特。
現代と戒厳令下にあった'80年代を交互に描く構成。植物人間と化した母とその娘のそれぞれの恋愛が描かれ、母が書いた1通の未送信の電子メールを見つけた娘が、母の初恋の相手に会いに行くという台湾映画お得意の純愛路線。ご都合よろし過ぎな点もあるものの、ラストのビージーズのアルバムを巡る「真相」には素直に胸震えた。上手い。


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