映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「護られなかった者たちへ」監督・瀬々敬久 at 109シネマズHAT神戸

movies.shochiku.co.jp  原作は未読。

 情報によると血縁関係や男女の性別の設定が原作と違うらしい。

 東北の被災地を舞台に連続猟奇殺人事件と、肉親を亡くした被災者達の日々の生活がリンクして行く構成。

 殺人事件の犯人とされる利根(佐藤健)の行動を追う刑事・笘篠(阿部寛)。

 ミステリーとしての要素があるので詳細を記するのは控えるが、あの猟奇的な殺し方をするほどの「殺害方法の知識」と犯人の経歴、動機としての「深い怨念」と犯人の殺意が釣り合わない。人二人殺したら死刑だよ。それと引き換えに出来る復讐とは到底思えない。

「ヤクザと家族」(2021)もそうだったが疑似家族に命を賭ける人々に私はリアリティを感じない。

 ミステリーとしての筋立てを除けば、生活保護を巡る行政のあり方を問う描写は怒りに満ちていて痛切だ。

それと瀬々監督の作品でいつも感心するのは画面に映る風景の力強さだ。ロケーションの選択がどのシーンもここしか無いだろうというほど、登場人物の行動とマッチしている。導く動線が見事なのだ。