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「カタオモイ」監督・いまおかしんじ at シアターセブン

映画『カタオモイ』公式サイト - レジェンド・タレント・エージェンシー

 過日、映画監督協会の酒席で「いまおかさんは下半期だけで4本公開されるんですよ」と紹介され仰天した。対してその場にいたいまおか監督は「低予算ですから」と応えた。

 たとえ低予算とはいえ劇場公開が半年に4本もあるなんて一体どうすれば、と偵察と勉強の意味を込めてこの「カタオモイ」とその次の「海辺の恋人」の連続上映に臨んだ。

 ピンク映画ではなく、R-15指定というピンクと一般の中間のような体裁らしい。先般CS放送で観た高原秀和監督の作品もそうだが、昔と違ってカラッと明るい感じの展開になっている。もうフィルム撮影ではないのも影響しているのか。

 履歴書に33歳と書いて店長に「違うでしょ」と言われてしれっと「間違えた」と書き潰して43歳と書き直すヒロイン(丸純子)の図々しさそのままにジメジメしないカタオモイ(ま、カンチガイでもある)が描かれる。

 どうということのない話しを秋の木漏れ日のなかを歩くヒロインとその恋の相手(細田善彦)の軽やかさそのままに見せ切ってしまう。

大量のネギとレシート、間違いメールアドレス、携帯動画。小さな仕掛けが良い塩梅の調味料。なるほど。