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「キング・オブ・シーヴズ」監督ジェームズ・マーシュ at シネリーブル神戸

www.imdb.comまずはこの記事を。

news.yahoo.co.jp本作はこの事件の映画化。

マイケル・ケインは御歳78歳だがこの映画がつくられたのは3年前の2018年、彼は実際の事件を新聞記事で知って「この話が映画化されたら自分のところにオファーが来るかもと思ったが、その通りになった」と語っている。

www.youtube.comまた、似たような映画があったなと本作を観ている間中そのタイトルを思い出せなくてモヤモヤしていたが、それは「バンク・ジョブ」('09)だった。

「バンク・ジョブ」監督ロジャー・ドナルドソン at シネリーブル神戸 - 映画的日乗

奇しくも同じ映画館で観ている。

 観る前はイーストウッドの「スペース・カウボーイ」('00)のドロボー版かと思っていた。しかし泥棒仕事を粛々と進めるあたりまではジジイ達の「昔取った杵柄」なのだが何とリーダー格のブライアン(マイケル・ケイン)は現場で仲間のテリー(ジム・ブロードベント)と喧嘩、仕事を降りてしまう。

 体力の衰え、糖尿病、耳が遠いなどに加えて老人特有の融通の利かなさが露呈してしまう可笑しみと哀れ。

 どこかしら飄々としていたこの連中もその分け前をめぐっては生来のアウトレイジぶりが顔を出し、脅し、スカしで仲間割れ。監視カメラを気にしないハイテク音痴、思慮深さが無いので捕まるまでのサスペンスがイマイチ。

が、ラストの裁判に赴く犯人達の英国ダンディズムにはちょっと快哉

 また劇中彼らの若い頃の犯行がその出演作のフッテージで示される映画愛にもニヤリ。エンドロールでそれらの作品が表記されるがローリングが早過ぎて確認できなかったものの、マイケル・ケインのそれは「ミニミニ大作戦」('69)からだとのこと。

www.imdb.comそうかこの映画でも彼は金塊ドロボーだった!